第65章

今日の誕生会には多くの人が集まり、皆がプレゼントを用意してきたが、結局は彼女が用意したものが一番評価された。

望月お爺様の前で、山口玥はもちろんその得意げな気持ちを表に出すことはできなかった。

彼女は謙虚に言った。

「たいしたことではありません、お爺様、お褒めにあずかり恐縮です」

「そういう態度はよくないよ。書道は人の精神性が最もよく表れるものだ。こんな素晴らしい字が書ける子は、絶対に並の子ではない」

望月お爺様はさらに褒め言葉を重ねた。

山口玥は急いで返した。

「お爺様のおっしゃる通りです」

瀬戸渝は傍らでそれを見ながら、表情を曇らせていた。

これだけ多くの人がいることを...

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